3人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
思わずそんな、抜けな声を上げる。
いや、本当は聞こえていたのだ。だけどどうしても、脳が理解することを拒んでいる。
、、、私の理想が、壊れていく音がする。
「ちょっと!酷いこと言わないでよ!」
「あぁ!?異常者に異常って言って何が悪いんだよ!」
目が不自由なせいか、やけにはっきりと言葉が耳に入ってくる。いっそ頭を抱えてうずくまりでもしたらよかったのに、震える手足じゃろくに動かすこともできない。
なんだ?、、、、、どこで間違った?
「真白のどこがおかしいっていうの!?何も悪いことしてないじゃない!」
小学校の時からよく一緒にいた子が、私の前に立って言い争いをしている。相手は確か、、、中学校から一緒になった人だ。
私のいる場所は教室の中なのに、まるで海にでも放り出されているかのようだった。視界はゆらゆらと揺れ、差し込む日差しはギラギラと肌を刺す。
木でできているはずの床は、得体の知れない液体で濡れていた。
「お前今の状況見てそんなこと言えんのかよ!みんなが夏休みかけて作ったもんが全部台無しになってんだぞ!」
、、、、何の話を、しているんだろう。
まだうまく回らない頭を動かしながら、必死に起こった出来事を整理する。
しかしどうしても所々で矛盾が発生し、訳が分からなくなっては痛みで思考を中断させるの繰り返しになっていた。
、、、、私は、何をしたんだっけ。
「あんたが絵具の入ったバケツ蹴ったんでしょ!私見てたわよ!」
「その前にそいつが間違えたんだよ!」
ようやく頭痛が治まって頭をあげると、私の視線と指された指がぶつかる。
周りにはクラスメイトが私たちを囲むように立っていて、何かの映画のワンシーンのようだった。
私が間違えた?、、、何を?
「自分から色塗りしたいって言ったくせに違う色で塗りつぶしやがって、、、色が見えないってのは不便だよなぁ!?」
最初のコメントを投稿しよう!