クランクイン 2-2.5

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クランクイン 2-2.5

、、、思えば、全ては繋がっていたのかもしれない。 そんなことを思うのは、だったなんて過去形でしか言えないのは。 そう考えること自体が、全てが過ぎ去ってしまった後にしかしないからだ。 この先起こることを想像して前もって準備をしておくことは大切だが、「事実は小説よりも奇なり」。大事だといわれる勉強でさえもほっぽってしまうのに、「この人と仲良くすれば将来も気が楽になる!」だとか、「数年後にはこのスポーツが人気出るからこの部活に入ろう!」なんていう決め方はしないだろう? まあだからこそ、奇跡なんて表現が生まれるわけだが。 例えばいつか逆方向に歩いたはずなのに、長い年月をかけてまた道が交わる。自分の年相応に表現するとするなら、街で知り合いと出会うことでさえ一つの偶然、奇跡といえるだろう。 、、、そんな簡単なことでも、些細なことでも構わない。 ベッドに潜りながら、記憶の片隅にある日記のページをめくる。ずっとずっと幼いころの記憶なのに色褪せずきらきらとしたそれが、まるで自分がまだ子供っぽいと笑っている気がした。 「         」 微睡んだ脳裏に浮かぶその言葉と、あの公園に響いた二つの笑い声を、俺はまだ、忘れない。
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