第4章 上映開始

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いや、正確には若干一名うるさいのがいるため静かという表現は間違っている。なんというか、重いというほうが正しいだろうか。 今日上映会が行われる場所は、夏にお世話になった海の家よりもずっと向こうにあるらしい。あそこにいくのでさえ一時間ほどかかったのだ。体を襲う寝不足も相まって、その事実を頭に浮かべるたびに徐々に意識が遠退いていく。 外は多分、ビルにまみれた学校付近とは違って緑で覆われていることだろう。私には、それを認識する方法はないが。 ずっと見ていても代わり映えしない景色から逃げるように、私はそっと瞼を閉じた。
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