卒業アルバム

「赤ちゃんが載ってたりもするって、最初に言ったでしょ？　その赤ちゃんのすぐ隣にはね、大抵若い女の人が載るんだって。つまり、赤ちゃんを抱いたお母さんが、不運にも人生の卒業アルバムを拾って開いちゃって、それを腕の中にいた赤ちゃんも一緒に見ちゃったりしたってことなんだろうね。ちゃんと、死んだ順番に名簿が追加されていってるんだと思う」

幸運にも、その話を聞いてから今日まで、わたしは一度も卒業アルバムが捨てられている――もしくは落ちている――場に出くわしたことはありません。

もし本当に、こんな卒業アルバムがこの世に存在すると言うのなら、今もどこかで、誰かが手に取りページを開く瞬間を静かに待ち続けているのかもしれません。

もしあなたがこの先どこかで怪しい卒業アルバムを見つける日が訪れたら、中途半端な好奇心でそれを開かないことを強くお勧めします。

もし、それでも中を見たいと思うのなら、自己責任です。

それが人生の卒業アルバムであったなら、あなたが次の卒業生に加わってしまうかもしれません。