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「存在するならな」
どこの誰が言いだしたのかは知らないが、つまらない作り話だろう。
「でも意外と、あるのかもよ。どっかの国の陰謀でさ、もうとっくにそういうおれたちみたいな一般人には想像もつかないようなレベルの電子兵器が製造されて、誰にもばれることなく振り撒かれてるみたいなことが」
「だったら、そんな極秘な情報を知った俺たちは消されるな」
はははと笑い、俺は休憩はお終いだという意味を込めてコーヒーを飲み干し、またパソコンの画面へ向き直った。
「そんなに画面に顔近づけて、感染しないよう気をつけろよ」
「うるさいよ。セキュリティソフト入ってるから平気だろ」
おどけた口調でからかう同僚の声を背中で聞きながら、俺はさっさと仕事を終わらせようと再びキーボードを叩き始めた。
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