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「セレ様の体内に雫玉があるとして…」
雫玉はそのままではなんの力も発揮しない。発動させるには何か条件がある。
金や銀の雫玉なら、製作者が命令すれば良いのだが。
「発動条件は…?」
トアンはまた頁をめくった。
『製作者の名前を含む何らかの言葉を対象者に言わせる』
とあった。
「何かキーワードが設定されているんだな…」
…セレ様がヴァシュロークという名前を呼んで何かを言う?…
「うーん…」
ローエンがそのキーワードを知っているかもしれないが、すぐに確かめる事はできない。
それにしても、不気味な雫玉がセレの体内にある可能性が高いという事はタリヤに知らせなければ、と思った。
「すみません、王宮の薬草園に行きたいのですが、馬を貸してもらってもいいですか?」
薬草の採取という名目でローエンから許可をもらい、タリヤの元に行くことにした。
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