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トアンは、その勧めに従いロストークに来たのだった。
だが、自身の勉学の為だけではない。もう一つ目的があった。
セレの捕獲を企んだレダリアの第2王子シュデルを操っている人物…それがローエンかもしれないのだ。
それを確かめ、もしそうであるなら、その理由と企みを明らかにするという使命もある。
昼間はローエンを手伝いながら魔法医としての経験を積み、夜になると研究室で書物を漁りながら、手掛かりを探していた。
しかし、2ヶ月間、何もそれらしきものは見つかっていなかった。
「トアン、熱心なのは良いが、そろそろ休みなさい。」
ローエンから声がかかった。
トアンは、今日は純粋に魔法薬の本に熱中していた。いつのまにか真夜中を過ぎていた。
「あっ…はい!もうこんな時間か…」
「そんなに熱心に何を読んでいるんだい?」
ローエンはトアンの手元の本を覗き込んだ。
『「液体薬」抽出や液体化に関する知識と技術』
というタイトルの本だった。
「これは、とても興味深くて…。薬効が認められているのに利用できない物がまだまだたくさんありますからね。」
トアンは頁をめくりながら言った。
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