第7章 光を統べる闇

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アーリンは、独自の情報網や魔法のアイテムを駆使して、世界中の名だたる魔法使いの様子を常に伺っている。 セレがロストークを出て間もない頃に出遭ったガルテンと言う情報屋も彼の配下の者だ。 狩人のウォールも、直接の雇い主はレダリア王家だが実はアーリンに繋がっている。 他にも工作員、魔法商、魔法のアイテムの職人など人脈は多岐に渡る。 「彼がシュデルの元を離れてから見失っていたが、案外近くに居たものだ。」 アーリンの住んでいるこの場所は『空中宮殿』と呼ばれる。 遥かな昔、この辺りは氷河だったと言う。 氷河に削り取られて出来た細長い平原に、固い岩石だけが所々に残されて、巨大な剣先の如くに天高く聳え立っている。 その尖った剣先の一つにこの宮殿が乗っかっている。とんでもなく急な斜面の上に大きな建造物を造れるのは魔法使いならではだ。 平原は高い山脈に囲まれていて、山々から霧が流れて来る。雲海だ。アーリンの宮殿は、雲海にまさに浮かんで見える。 「私は世界の事を心配しているのだよ。あまりにも愚かな奴等が多すぎるのさ。 そもそも魔法の使えない者に、自然のエネルギーの循環など解る筈がない。」
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