白銀の世界は、酷く、美しい

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――白銀の世界 なにものにも染まっていない、純白の大地 宙を舞う白き雪は、陽光に照らされ、淡く輝く それは、酷く幻想的で、美しい 引き寄せられるように、足を踏み入れる すると、世界が一変した 肌を突き刺す、寒さ 襲いくる、白き雪 静寂に包まれた世界 周囲には何もなく、只々白い そんな中、私だけが異物である それ故、淘汰されるのだろう 只、耐えるしかない 自然の猛威に、人は逆らえない 只、ひたすらに耐え続け、その脅威が過ぎるのを、待つしかない 幾多の苦難があろうとも 私は、弱い 結局、残ったのは、一つの赤 やがて覆われ、再び、世界は白くなる 白き雪が舞う 白銀の世界は、酷く、美しい
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