第1章

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いぬ 犬 居ぬ 去ぬ わたしは俗に言う不良という生き物らしい。 断っておくが、 好きでこんな生き物になったわけではない。 初めは真面目な学生生活を送るつもりだった。 でも、 気づいたらこんな風になっていた。 わたしは悪くない。 うん、 悪くないと思う。 そう、 悪いのはうちのクラスの男子共だ。 あいつらが喧嘩に弱いのがいけない。 危ない奴らにからまれていて、 かわいそうだから助けてやったんだ。 そりゃあ、 相手を病院送りにしたのは悪かったと思うよ。 でも仕方ねえだろ? わたしはか弱い女の子なんだからさ、 手加減なんかできないよ。 その後、 仕返しに来た不良どもを海に捨てたのも悪かったさ。
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