第1章

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ムカつくことに性格も良い。 わたしが問題を起こし、 大人たちに睨まれている時、 決まってかばいにくる。 わたしが学校をサボろうとしても、 家まで迎えにくる。 …… …… ……わたしが赤点を取った時は勉強を教えてくれた。 わたしが病気の時は見舞いの品を持って来てくれた。 わたしが慣れない料理をして、 盛大に失敗しても、 全部食べてくれた。 わたしの誕生日には一緒にいてくれた。 非常に不本意だが、 村本和風は一応わたしの彼氏である。 これで何度目の呼び出しだろう。 わたしは目の前にいる腕力だけが取り柄の男を睨んだ。 名前は多分……仲城だったはず…… フルネームまでは知らない。
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