第1章出会い、そして入園  5

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第1章出会い、そして入園  5

入園式が始まり、僕たち白組から入園する者たちは、正式に入園する一つ下の緑組の連中といっしょに広い教室の真ん中に置かれたイスに腰掛けた。園長先生の挨拶があり、来賓の町長の話しがあり、各組の先生の紹介があり、父兄も混ざり全員で記念撮影した。そのあと、各組の教室に移り担任の先生から明日からの説明があった。「皆さん、こんにちは、白組の担任の石川みどりです。よろしくね。」白組から入園した生徒は、僕以外に10名位いた。みどり先生は20歳前半位のやさしそうな先生だった。「今から皆さんに名札を渡しますので、名前を読んだら元気よく返事をして先生のところに来てね」「いしだあゆむくん」「はーい。」順に名前が呼ばれ僕も元気よく返事をし名札をもらった。「はい、皆さんに名札渡しました。明日から服につけて幼稚園に来てね。今日はこれで終わりです。明日も元気に来てね」「はい、皆さん立ってね」僕たちは立ち上がった。「幼稚園では終わりの時あいさつします。」「先生がやってみるのでまねしてね」「せんせいさようなら。みなさん、さようなら」僕たちは小さい声だがまねした。「はい、よくできました。あしたらもやりますので、おぼえてね。」 僕は、おかあちゃんといっしょにうちに帰った。翌日からは、お弁当持参でおかあちゃんに手をひかれ通園した。幼稚園までは仲の町通りをすぎて僕のうちから歩いて約10分だった。通園が始まって園足があったり夏にはプールがあったり、秋には運動会があった。この年僕は、自分が他の生徒より抜群に走るのが早いと分かった。うちのおとうちゃんは、学生の時陸上の選手で国体やアジア大会にも短距離で出場するくらいの人だったので、血をひいた僕も早かった。かずちゃんやさとる君の他にもたくさんの友達ができた。ある秋の事である。「タン、タン、タッタッタッタッタ~。とじまりようじん、ひのようーじーん。」 」「とじまりようじん、ひのようーじーん。」毎年行われる、花の私立勝浦幼稚園幼年消防クラブの防災パレードである。
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