第1章出会い、そして入園  3

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第1章出会い、そして入園  3

幼稚園の入園面接に見事落ちた仲の町の神童タケちゃんは、人生初の屈折もものともせず、元気に過ごすのである。かずちゃんやさとる君とは、毎週土、日には朝から夕方キンコーンカーンコーンのチャイムが鳴るまで遊びまくっていたのである。3人ともはな垂れ坊主で、髪型は僕とさとる君は坊ちゃん刈り(いわゆるおかっぱ)でかずちゃんは天パー(髪の毛も中身も、ごめんかずちやん)なので、なんというかおばちゃんみたいな髪型でした。その頃この3バカはじめ勝浦いや和歌山、いやいや日本中の子供たちが夢中になった「おそ松くん」のテレビアニメが放送されだしたのである。家には小さいが白黒テレビがあったと思う。今は懐かしいスイッチを入れると初めに真ん中が光りだし時間がたつにつれ画面に映像が映るというものであった。おそ松くんとは、赤塚不二夫氏作で、6つ子の松野兄弟やその周囲の人間が織りなすギャグ漫画である。おそ松、一松、カラ松、チョロ松、トド松、十四松の6つ子が中心である。最初少年サンデーに連載されたが、1966年、昭和41年僕たちが3歳の時なテレビアニメ放送開始。このおそ松6兄弟も面白かったが、何といってもイヤミの存在である。名前の通り嫌味な男で漢字で(井矢見)と書くが、僕たちはカタカナのイヤミのイメージが強い。自分の事をミーと呼び、相手の事をユーといい、自称フランス帰りで、おフランスでは、とか言うざまーす。このイヤミのギャグ『シェー』がミーたち3バカトリオの胸をうちぬいてしまったでざんす。一目惚れでざんす。このシェーには、ポーズがあるざんす。右腕または左腕をまっすぐの伸ばし、手首は直角に頭の方にまげるざんす。あと反対の腕を胸をさするように手のひらを胸の方に向けて曲げるざます。
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