第1章出会い、そして入園  4

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第1章出会い、そして入園  4

それから、それからゲバゲバピー。(このギャグわかる方は僕たちと同年代以上のかてたやなぁ)、いやいや失礼しました。おかあちゃんのバカ息子養成講座により大分お利口さんになったタケちゃんは、1月に再度の入園面接を受けたのであります。今度は体験入園の時間はしっかりおかあちゃんの監視のもと、事前に「タケちゃん、今日は悪いことしたら、晩御飯なしでー」と言われたのもあり、かちんこちんのタケちゃんで、体験入園を終えた。1週間後に無事入園許可の手紙が届いた。「タケちゃん良かったねー。4月から幼稚園いけるでー」とおかあちゃんはほんと、ほっとした顔でいった。月日がたち、間もなく入園という日に僕は散髪に行った。「ただいまー」「タケちゃんお帰り」、かずちゃんとさとる君と遊んで帰ってきた僕は、ちょこんと縁側に腰かけ池の金魚に餌をやった。タケちゃんちは、明治時代に建てられた旧家で中庭があり大きな池もあるのである。おかあちゃんは「タケちゃんもうすぐ入園やし、髪の毛のびたあるさか、トリイへおとうちゃんにつれてもらい」「あんた、悪いけどタケちゃんトリイへ連れたって」おとうちゃんは、おかあちゃんよりお金を受け取り僕の手を引いて実家から歩いて1分の散髪トリイへ連れて行った。当時勝浦の仲の町のど真ん中にトリイという散髪屋があり、そこのおいさん(というかおじいさん)は、きれいに、はげあがった頭の主人で、店員のおねえちゃんとお兄ちゃんがいてこの3人で切り盛りしていた。店に着いたらおとうちゃんは、「おいさん、こんにちは、たけしの頭たのむわ」とお金を渡し家へ帰っていった。「タケちゃんいらっしゃい、こっち座ってくれるかん」おいさんが僕を呼んだ。お姉さんの時は散髪は優しくしてくれるのだが、お兄さんとおいさんの時は僕が動きさがすので、その度に「こら、ゆうこときいてじっとしとかなあかんやん」と僕の頭を左手でグッとつかんで刈りやすい位置にする。
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