そうだ、もう一度眠ってみよう。

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 夢の中で確かに俺はトイレに行った。やばいとは思ったが堪えることが出来なかった。  既に頭は起きているが目は閉じたままだ。下半身には温かいぬくもりだろうか、動揺しているのかよく自分でもわからない。おそらく動いたと同時にこれらは冷たく感じるであろうことはわかっている。  幼少期を思い出さずにはいられない。  耳を澄ますと水が床に一滴ずつ落ちる音が微かに聞こえてくる。どんだけ出てるんだよと考えもしたが、そんな思いに浸る暇もなく誰かが部屋のドアを開けた。  確率的には母親か妹だ。父親が起こしに来ることはまずあり得ない。理想としては一言だけ声をかけて出ていってくれるのがベストだ。妹だと危機的状況だ。あいつはベッドにダイビングして起こしにかかっても不思議じゃない。いずれにしてもなんとしても気づかれてはならない!  そして声が聞こえてきた。 「胴体の用意は出来ているか?」  男性の声だ。  声に聞き覚えがなかった。それに胴体ってなんの話だ?いや、今、誰に話しかけたんだ?この部屋には今何人いるんだ?  状況把握が出来ていないがさっきまで爆睡していた俺はとりあえず夢の続きの可能性を模索した。  改めて感じると自分の身体は起きているのではないか?寝る起きるではなく、身体が垂直の状態に起こされているのではないか?ということだ。  少し目を開けると目の前にドラマで見る手術服姿の人が見える。 このパターンは夢のはずなんだが。  視線を落とすと……ん?馬?かな……動物が寝て……いや、死体だ。首がない。朝から見るにはとてもグロテスクだ。更に俺は視線を自分の下半身へ落とした。  馬鹿みたいな話だがこんな訳のわからない状況でもさっき夢の中でトイレでしたことは確認したい。  だが、確認は難しかった。なぜなら俺の下半身はそこにはなかった。さっきから聞こえる水が床に落ちる音は俺の腹部から滴る血液の音だった。そのまま俺は気を失った。  どのくらいの時間が経ったかはわからないが俺は目を覚ました。どうやらまだ体を起こされているようだ。  恐る恐る瞼を開き自分の下半身の方に目をやった。 ……これって。  俺はケンタウロスになっていた。。。
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