そうだ、もう一度眠ってみよう。

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 すぐに夢だと理解した。あり得ないからな。とりあえず目を覚まそう。しかし、どう考えても眠っているようには思えない。  確実に起きている。そもそも俺を繋いでいるこの鎖はなんだ?もはや動物扱いそのものじゃないか。俺は猛獣かよ。  これじゃあ、身動きが取れないな。と、思ったのは0.5秒くらいだった。驚くほど簡単に鎖が切れてしまったからだ。うん、俺、猛獣だわ。  しかし、ここの床は硬くて蹄が痛いな。改めて自分の馬の部分を見てみる。  あー、なるほど。よくバラエティーとかでケンタウルスの格好をして腰に馬の下半身を着けているのを見るが、あれは前足部分に自分の足を使っている。でも、実際には前足は手みたいな感覚が強いな。後ろ足が今までの足って感じだ。 ……  明らかに今までの足とは違うけどな。  さて、こういう時はどうすればいい?そうだな。もう一回寝よう。こういう悪夢はもう一度寝て違う夢を見たほうがいい。  おや、ケンタウロスは立ったまま寝るのか? 馬部分を座らせて寝る? え、完全に横になる? どれだぁあぁ! 「何してるの?」  声に気付き横を向くと妹の晴海がいた。 「うわー、毛並みいいよねー」  毛並みはいいらしい。やったぜ、誉めて貰った! 「毛並みなんかどうでもいいだろ。この兄の姿をどう思っているんだ?」  晴海は少し困惑した感じをみせつつ俺に言った。 「とりあえずさ、お兄ちゃんチ◯チ◯丸見えだよ。」  下半身は馬だからな……ちょっとあれか、でっかいのか。 「晴海、バカにしてるだろ。」  晴海は向こうを向いて俯いた。後ろからでもハッキリわかるくらい肩が震えている。 「笑ってんじゃねーよ!!」  ダメだ、声を出して晴海は笑い出した。
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