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*** 「親の心子知らず」ということわざがある。 そのことを実感することが多い今日この頃だ。 俺の可愛い娘は、どうやら反抗期は終わったらしいのだが、そのまま受験期へと突入してしまった。 どちらにせよ父親である俺とのコミュニケーションを欲する時期ではないらしい。 俺はアルバイトで家庭教師をしていたこともあるので、 「勉強見てやろうか?」 なんて息巻いて話しかけたら、 「いや、パパの時とは時代が違い過ぎて参考にならないよ。センター試験もない時代の話なんて」 とバッサリ断られてしまった。 センター試験はあったんだよ、名前が違うだけで......と言ってみたが、聞く耳を持たなかった。 なんだよ、いいじゃないか、共通一次......。名前を変えやがったのは誰だ? 文部科学省か? 「そういうのはお兄ちゃんに聞くから良い」だそうだ。 そのお兄ちゃんに勉強を教えてやったのはパパなんだけどな......。そう思えばあいつは不愛想に見えて素直なところがある。 効率を重視しただけなのかもしれないが。
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