1.ネオ・エイジア編~イチロー・ムナカタの場合~

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もし明日死ぬのなら誰と過ごしたいかなんて話を仲間たちと話していたのはついこの間のことだった。 その時は今の状況になるなんて当然、思わなかった。とにかく平和な毎日だった。 イチローは大学の三年で、ギターとバイクをこよなく愛し、週末は愛車のアメリカンバイクにまたがり、ギターを担いでスタジオで仲間と音を合わせる。 バンドはスリーピースバンドで、イチローがギターボーカル、幼馴染のアキラはドラム、ベースのケントは専門学校で知り合った。 アキラはロック気取りの長髪を目指すと言いつつ肩より髪が長くなるところは見たことがない。端正な顔立ちは何処に行っても異性にモテるのに、言ってはなんだがアキラの好みは変わっていた。誰もが選びそうな子を好んで選ぶ。 そして専門で出会ったのがベースのケント。ギガバイトというパンクロックバンドがお互い好きで意気投合した。ケントは爽やかなスポーツ刈りを少し伸ばしツンツン立てていた。ベーシストの髪形はこれしかないと本人曰くこだわりの髪形だ。耳には左に七つ、右に五つ、鼻の右側と口の右側、あと舌にも一つずつピアスをしていた。
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