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そんな日々の中、街中に突如鳴り響いたのは効きなれない避難警報と命令だった。
“ウーーーーウーーーーーウーーーー・・・・
”“避難警報!避難警報!地域の皆さん、直ちに安全な場所へ避難してください!”
突然逃げろと言われても、何処に逃げればいいのか?何から逃げればいいのか?全ての情報が不十分すぎて、多くの人は右往左往していた。
「えっ?なになになに?」ケントは慌てふためき右往左往している。
「警報って鳴るんだな。やべえな、どうすりゃいいんだ。何かもっと空襲警報とか、津波警報とか地震とかあんだろ」
アキラは焦った表情で辺りに目を配っている。
「とっ、とりあえず、テーブルの下だろ」
既にテーブルの下に腰を下ろしたイチローがそう言った。
「わかったわかった」
アキラはそう返事すると同じようにテーブルの下に入った。
「って入ってみたものの、テーブルの下にいるのって俺たちだけじゃね?」
「そうだな、皆走って逃げてるな」イチローはそう言いながら頭をかいた。
「じゃあ、どうする、一緒に逃げるか?」
「逃げるって何処にだよ?」
「こういう場合は、ほら、地下だろ」
そう言ってアキラが指さす先には地下鉄駅の階段に向かって走るケントの後ろ姿があった。
「なるほどね」
三人は沢山の人々と共に地下鉄駅の階段を駆け下りた。
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