青いぬり絵をあたためて

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 ーー連続性を持った時間軸上にいる限り、そして光速度が不変である限り、天文学的に遠いものへ手が届くことはありえません。では、離散的な時間軸上ではどうか。理論的ブレイクスルーは人間の老化に関する論文がきっかけでした。聞いたことはありませんか? 一晩で髪が真っ白になったとか、極度の緊張で何十年も経ったかのように老け込んでしまったとか。時間は必ずしも連続であり続けるわけではなく、ある条件下においてはまるでスキップしたかのような振る舞いを見せるーー   巨大な扉の向こうにはさらに巨大な空間が開けていて、その中央にはパンフレットに載っていたあの円筒形の機械が、写真からは想像もつかないほどの大きさで空間一杯に建造されていた。 「もう写真は取ろうとしなくていいの?」  コザコリさんが横に並ぶ。 「撮らせてくれないじゃないですか」 「もちろん。企業秘密ですからね」 「いい加減外にも出たいんですけど」 「メディアに公表した後なら、写真でも外出でも自由にして結構よ」 「いつになるんですかぁ」 「もうすぐよ、もうすぐ」  私たちはやがて機械の足元、投影室と書かれたプレハブに着いた。
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