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夜の学校に忍び込むと、別の世界に行ってしまう? ――馬鹿か、と。
確かに夜の学校は何となく不気味な雰囲気がある。
それは『夜』という時間帯で、灯りなどが一切消えている、尚且つ人気がないからだろう。
だから、そもそもその『夜の学校』自体がもはや一つの世界と言ってもおかしくない。
だがそんなものは――ただの考え過ぎに過ぎない。
仮にもし、この学校に“幽霊”がいるのならば話はまた違ってくるのだが。
そのような話を聞いたことが無い――ということは、この学校に“幽霊の類”の噂はないということだ。
何故なら――誰も知らないからそのような話題が出ないのだから。
だとしたら、それはA氏の虚言に過ぎないのだが……まあ、乗りかかった船である為に、ワタシはA氏の話を最後まで聞くことにした。
『深夜って言っても日付が変わる時間なんだ。その時間にこの学校に忍び込むと、もう二度とこの世界に帰って来られないんだ』
――へぇ。で、その時間はいつ?
『だから、日付が変わる時間だって言っただろ? その時間にこの学校の敷地内に入ると、別の世界に行くんだ。どうだ、怖いだろ?』
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