【知らない方が幸せ】

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『俺もさ、その話気になって、前に夜の学校に忍び込んだんだ』  ――は? どういうこと? 『だってさ、そんな話聞いたら試したくなるのが人間ってもんだろ?』  ――……で、どうだった? 『俺と友達数人連れて行ったんだけどさ、流石夜の学校ってだけで雰囲気が違ったわ。もう、めっちゃくちゃこえぇの。だからかな、連れて来た友達連中、中に入ったら俺を置いてどっか行きやがった。きっと帰ったんだろうな、気が付いたら俺一人だけ。マジでムカついたわ』  ――まあ、そりゃあ、一人で置いて行かれたらね。 『だろ? で、俺一人だって気づいたらもう熱冷めてさ。サッサと帰ったわ』  ――その友達数人は? 連絡取っているの? 『いや、連絡取ってない。そもそも俺を置いて行きやがったんだぜ? ンな連中、とっくに縁を切ったよ』
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