プティ・イエデ。

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プティ・イエデ。

『……ウザい! ウルサイ!』  一昨日、航おじさんの家に泊めて貰って昨日の朝帰宅した。そのまま部屋に戻って、寝たふりをして学校をサボった。今日は火曜日――親が心配する顔を見てたら、居た堪れなくなって登校した。厳密に言うと、登校しようと思ったけどどうしても学校に足が向かなくて――さっきから、ガンガン着信が入ってる。マナーモードは一日中設定してるけど、あんまりウザいからバイブも止めた。 『もう九時半か……』  はあ。そろそろ帰らないと、マジ心配かけちゃうよなあ。でも、帰りたくないな。ママに連絡しようかな――あれ? アプリじゃないメール? SMS? 珍しいし。誰? えッ、マジ? 嘘……! [うちにおいでよ。美味しい甘酒があるよ(^^)] (ヤバい! 要くんからだ。ママから連絡が行ったんだよね、きっと。どうしよう? でも、嬉しい……) [いいの? 迷惑じゃない? ゴメン、ママから連絡が入っちゃった? 心配してる? どうしよう。甘酒ニガテかも(>_<)] (わたしからも返信した。SMS使うの超久しぶり。少ししたら、凄く嬉しい返信が来た!) [大歓迎。迷惑じゃない。ママ、心配してるみたいだね。どうするか一緒に考えよう! 早くおいで。ココアは? ソイでいい? バターとシナモンは?] (どうしよう。甘えちゃって良いのかな? でも、今日は家に帰りたくない。ママ、ごめんなさい!) [要くんのココア飲みたい! ソイ、バター、シナモン、サイコー! アリガトウゴザイマス(__)] (うわっ! 今度はすぐに返信が来た!) [了解! じゃあ、今度は僕からのお願い→駅中のショップで、僕にはジンジャークッキー、航には煎餅を買って来て下さい。気を付けておいでね!] (頼まれ事しちゃった! 役に立てるのが、嬉しい。買ったら届けなくちゃ!) [はーい(≧▽≦)]  そうと決まれば、ここを出よう! ドリンクの残りを専用の場所に流してからフタとストロー、本体とを別けて捨てた。すぐそこの駅から電車に乗れば、30分弱でおじさんの家に到着できると思う――そういえば……要くん、わたしの居場所(・・・)を訊かなかったな。ははッ! やっぱり、変な大人。でも――癒されるし……スキ。 『あーあ……。忘れようと思ってたのに! こんなに優しくされると、やっぱり好きな気持ちが高まっちゃう!』  ダメダメ! 要くんは、わたしがおじさんの姪だから優しくしてくれてるだけだもん! 二人は相思相愛のラブラブカップルなんだし―― 『えっと。ジンジャークッキーと、お煎餅だったよね? あ、美味しそうなの見付けた。これ買って行こう!』
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