わたしと、叔父さんと、叔父さんの最愛の男（ひと）。

カナメクン。

――全ての道はローマに通ず

――All roads lead to Rome

――目的までの手段や方法は、幾通りもある

　僕が産まれて間もなく他界したという、父親の国のことわざだ。

　僕は、唯ちゃんが選んだ道を全て支持する。仮に、それがご両親の望まない選択だったとしても。勿論、法に触れることや危険行為は全身全霊をもって阻止する。しかし、そこまで浅はかな子ではないと思っている。

　もしも……。今の唯ちゃんが『常識』『衆目』『自尊心』……といった枠に自分を当て嵌めてしまい、雁字搦めになっているのだとしたら、一旦リセットしてみても良いんじゃないだろうか。たかが17で、将来の目標を決めるなんて無理だよ。勿論、明確な目標を持っている子もいるだろう。それはとても素晴らしいことだと思う。でも、僕は持ってなかったし、そのことを悲観することは無いと思うんだ。

　世の中は、こいつみたいに真っ赤なスーパーヒーローばかりじゃないんだよ。僕みたいなモブキャラ(・・・・)や、スーパーヒーローを支える緑や青のレンジャーだって必要なんだ！　唯ちゃんは、唯ちゃんらしく葛藤しながら先の事を考えてみればいいじゃないか。

　因みにね、高校時代にある先生がこっそり僕に教えてくれたんだ。どの先生も、『ちゃんと登校しろ！』と叱咤激励する中、『あと○○日は休めるぞ？』だって！　――可笑しいよね？　蛇の道は蛇(・・・・・)っていうだろ？ 　僕は、それで救われたんだ。

　上手く伝わったかどうか、心配だけど――これが、現段階で僕が唯ちゃんに伝えることができる、精一杯の『答え』だよ。