第1章 謎の生徒たち

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「らしいね~」  実際は当たっています。恐ろしいです、はい。  そんな思いを悟られないよう偽りの笑みを亜壽香に向けた。それに合わせるように亜壽香も笑顔で返してくる。そのまま適当に笑って圭は誤魔化した。  亜壽香は解放者なる者の存在は知っているのだろうか?  コントラクトが危ないことに使われているという情報の入手源によってその結果は変わるだろう。どちらにしても圭から話題にだす必要はない。例によって亜壽香から話題を降らない限り、解放者の話はしなくていい。  それに……おそらくこの噂も直ぐに終わる。解放者は……このまま消えることだろう。圭の目的はあくまでもネイティブの支配から逃れる事だ。それができた今、それ以上のことをする理由はない。  今後は……コントラクトで支配されないよう注意を払っていくだけだ。  解放者といくら噂されようとも、これきり誰かが解放されることもなければタダの噂でしかない。解放者は……本当に存在したかも分からないようになるだろう。 「……やはり……違うのか?」     
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