第1章 謎の生徒たち

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第1章 謎の生徒たち

 コントラクトという存在を知り、巻き込まれてから三ヶ月強。小林圭はコントラクトの縛りから解放され、日常を取り戻していた。  そして、圭自身の解放と同時に、ネイティブによって支配されていた生徒たちも解放された。そのことを事実だけでなく、噂でも確実に耳にするようになっていた。  無論、ネイティブと行った契約の効果はしっかり発揮されている。情報が漏れることはなく、圭がその解放に手を貸した人物だということまでは広まらなかった。  ただ、やはり、ネイティブを倒した人物が存在する、ネイティブの支配から解放してくれた人物が存在する。  そんな噂はとどまることを知らず、瞬く間に学校中を駆け巡ることとなっていた。  そう、『解放者』と呼ばれる存在が……生徒間の間で出来上がっていた。  そんな解放者の正体を知っているのは、おそらくその本人と言っていいだろう圭自身、それと次郎、ネイティブだけ。  いや……、もうひとり、少なくとも感づいているのであろう人物はいるか……もっとも、契約で口を封じているため、問題はないだろう。     
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