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都心から少し離れた街での夕方の事……
「あっ、おばあさん、危ないですよ」
白い杖を持った一人の老婦人が、車道に出そうになったので、あわてて沢田は声をかけ、歩道に誘導した。
その老婦人は苦笑しながら、彼に何度も会釈すると立ち去っていった。
それを見ていた青山課長は、
「おー、良くやったー」
しかし沢田は、はぁ、どうも……と言ってから、
「問題はこれですよ。ほら、歩道の点字ブロックを塞ぐように、この車が駐めてあるでしょう。だから彼女は、車道に出ちゃったんですよ……。ったく……」
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