第2章 噂の先輩

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第2章 噂の先輩

次の日の朝の教室でのこと 「なぁ、なにその荷物」 友達の笙太(しょうた)が俺の提げている紙袋を指差す。 これはパーカーです。例の。 一応返さないとなと思って昨日洗った。 「あー、突然なんだけどさ石川賢人って人知ってる?」 出来るだけ何気なく聞いたんだけど、笙太が真顔になった。 「うん…知ってるけど。お前にしては珍しいな、人のこと聞くとか」 俺はどんなやつだよ。時には聞くわ 「…どんなひと?」 話を続けて聞くと、物珍しそうに笙太が答えた。 「石川先輩は3年生の、ほら、白石先輩と一緒のクラス。」 白石先輩とは笙太が陰ながらファンである人だ。顔立ちの整った綺麗な先輩。 「でさ、石川先輩には異名がついてるんだよ」 は? 「氷の王子様って」 …こいつはあくまでも真面目な顔をしてます。 氷の王子様って一体… 某映画の氷の女王的なやつ? あの魔法の力が?なわけねぇよな。 「なに、それ?」 「いやぁ、ね?どんな可愛い女の子の告白も断ってるんだって。つか、本当に仲良い人以外には無愛想で冷たいとか。」 「俗に言うクールな男の子ってこと?」 男の子じゃないか、先輩だし。 「うーん、女子はそう言ってるけど、あの白石先輩でさえ告白失敗したんだってよ。俺としては良かったけど、あんな綺麗な人振るとか信じらんない」 なかにはいるだろ。綺麗な人振る人。 てか、途中本音が混じってたぞ。 「へぇ。」 ここでひとつの疑問が生まれた。
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