第2章 噂の先輩

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そんな冷たくて仲間内以外には無愛想な王子様が、本当にあの手紙を書いたのか?冗談めかした告白文を? なんかそっちこそ信じらんねぇよ。 もしそうだとしても、よく知りもしない俺に何の用だってんだよ。 石川先輩は俺の事知ってたのか? いやいや、俺そんな目立つやつでもないし。 それにあの手紙の中といい、あの手触りといい、すげぇ優しい人だと思ってた。 なでられて眠ったほどだし。 「石川賢人って2人いんのか…?」 あり得ない説を小さく呟くと、それを聞いた笙太が目を輝かせた。 「巧真と石川先輩てどんな関係なの??なんなら、会いに行く?俺も白石先輩に会いたいし!」 本音が混じってるの、君の心の声が。 前のめりで「会いたいし!」じゃねーよ。 「白石先輩に会いたいだけだろ。やだよ、3年生の棟は遠いし」 和室に紙袋だけ置いてきちゃダメかな、 失礼か。 すごい失礼だな笑 「遠いから普段行けないんだよねー。」 近かったら行ってるのか。 ストーカーか。 でも行かないと直接は返せないよなー、このパーカー。 「行くかぁ…。」 昼休みの時間にしよ。 「俺も!」 だろうな。そう言うと思ってた。 「じゃ、昼休みに。」 「そーだな。」 はい、ただいま昼休みに会いに行く事が決定しました。
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