でーとって何。By笙太

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その日の帰り道。 姉ちゃんからのメールにより、スーパーへ寄って、夕焼けを見ながら坂道を登っていると、電話がかかってきた。 《ブブブ…ブブブ》 珍しいな、俺に電話がかかってきた← 《ピッ》 「…もしもし」 ふぅ…と息を落ち着かせて電話に出た。 『…もしもし、巧真くん?』 先輩だった 「…あ、ど…どーも」 なんか声が上擦る。 久々に声聞いたかも。 ここ最近はすっかりだったし。 和室も行ってないから。 『うん、突然ごめんね。』 「いえいえ…」 『えっと…遊園地、僕の友達も一緒にいいの?』 「あ…はい。出来ればあの… ………あー…その」 なんて言えばいいんだろう。 『ん?…どしたの?』 「…先輩、髪がショートの女の子の友達いますよね?その子、連れてきて欲しいなって」 『………え?』 「あっ…その、白石先輩しか女子誘ってないから…俺も仲良い女子とかいないし…だからっていう意味なんですけど…」 少しの間。 『…うん、わかった。連れてく。』 「…ありがとう…ございます」 『ううん。こちらこそ、ありがとね』 「え?なにがですか?」 『いや…また休みの日に会いたいなって思ってたから…』 ドキ… いや、ドキってなに 「…俺もですよ、先輩に会いたいって思ってました」 『ほんと…?嬉しいな…』 スマホから聞こえる声。 先輩が少し微笑んだ気がする。 「…先輩、」 『…うん』 「……」 『…巧真くん?』 「楽しみにしてます、遊園地」 『あ、うん、僕も楽しみにしてる』 ……なんか、無性に先輩に会いたい 『会いたい…な』 「………ぇ?」 『…ん、いや…最近は顔を合わせることもなかったから… って言っても数日か… それでも、 すごく長く感じるよ…僕はね』 ………。 「俺もですよ、それは。 俺、今お使い行ってる最中なんです そろそろお店着くから…また。」 『あ…うん。…またね』 《プツッ》 持っていた荷物が ガサガサと揺れた。 夕焼けはそっと見守るように、 見透かすように… 俺は…たぶん、 …想像してる以上に先輩のことが…… ………いや、どうなんだろう
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