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「彼氏のどこか好きなの?」
って、言われたら正直困る。
友達のイケメンの彼氏の写真をみると、いいなーって思う。
料理が上手い彼氏の話を聞くと、いいなーって思う。
どこが好きって、彼のどこが好きなんだろう。
彼氏のこと、これでも一応好きなんだけど。
優柔不断な私は、男の人に対しても優柔不断なんだろうか。
今日はお昼ご飯を食べてから、水族館デート。
私たちは中華料理のお店に入った。
決めるのが遅い私は、メニューといつもにらめっこだ。
「何と何で、悩んでるの?」
髪の毛が茶色でふわふわしてて、わんちゃんを思わせる私の彼氏はいつもそう聞く。
メニューから顔をあげて私は答えた。
「唐揚げセットか、エビチリセット」
難しい顔で私はまたメニューに目を落とす。
「唐揚げも好きだけど、えびのプリプリも捨てられない。」
そんな私を見て、彼もメニューとにらめっこする。
そしてたいがいこういうのだ。
「じゃあどっちとも頼もっか。俺とはんぶんこね。
そしたら梨央も俺も両方食べれて幸せだ。」
彼はにっこりほほえんだ。
彼はいつも両方が幸せになる選択肢を選んでくれる。
そんな彼がやっぱり好きなのだと思う、優柔不断な私であった。
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