トロンボーンワルツ

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トロンボーンワルツ

 ついに、サーカスが町をはなれる日がやってきました。その日はあのこっけいな道化師たちにあえる最後の日だということで、ほとんど町中のひとが集まってきました。サーカス小屋は満員で、通路にまでひとがびっしりでした。団長はことのほか大喜びで、長く伸ばした自慢のおひげをなでてはじつに満足そうでした。  いよいよルネとウーの最後の出番が近づいてきました。プジョールはたちあがると、楽団のみんなにできたばかりのまあたらしい楽譜をくばりました。そしてこんどは舞台の裏にまわり、ルネになにやらこそこそと話しかけてなにかを手渡しました。  プジョールは音楽隊の席にもどりました。そしておなじみの音楽にのって、ルネとウーがとびだしていきました。ルネはいつものようにウーのトロンボーンをからかい、お客さんは大笑いでした。そして出し物がおわると、ルネとウーはふかぶかとおじぎをしたのでした。
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