第1章 髑と腐

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そこで俺は、肝心なことを思い出した。 ずっと男と呼んでいたこの人の名前を、俺は知らないのだ。 「あ......」 「......?なんだ?」 「いえ、まだ名前を教えてもらっていなかったなと。」 「そういえば、自己紹介がまだだったな。すっかり忘れていた」 「俺は秋雲 伊御っていいます。」 「俺の名は......そうだな、スカルと呼んでくれ。俺の髑髏から取った名だ。」 「わかりました、スカルさん。」 「スカルでいい。さん付けは呼びにくいだろう」 互いに簡単な自己紹介を済ませ、俺とスカルは別れた。 「さようなら。」 「またな」 スカルとイオは、互いに背中を向けて正反対の方向へと歩き始める。これが、俺とスカルの、初めての出会いであった。 「ただいま。」 スカルと別れた後、俺は夜の空を楽しみつつのんびりと我が家に帰ってきた。 脱いだ靴をそのままに、リビングへと入っていく。 「ぐぅっ......はぁ......」 俺は後先考えず、制服のままソファーに飛び込んだ。 「はぁ......疲れた......」 俺は今、肉体と精神の両方で疲れ果てていた。ソファーに飛び込んだ瞬間から、その疲労をより強く感じる。 「......あぁ、お風呂沸かさないと......」 俺はこの家で一人暮らし。両親とは別れて暮らしていて、何をするにしても自分で用意しなければならないのだ。 「......動きたくない......」 今日はもうお風呂はいいか。そんな考えが俺の頭をよぎる。しかし自分の体臭を嗅いだ後、これはダメだとすぐにお風呂を沸かしにいった。といってもこのご時世、お風呂はボタン一つ押すだけで沸く。あまり動きたくない今の俺にはとてもありがたい存在だ。
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