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「(だめだ、あいつらに近づいたらだめだ!。くそっ!どうやって止めればいい!?)」
校門から入ってきたあいつらは、間違いなくスカルの言っていた魔物に違いない。その強さや容赦のなさを俺は身を以て実感している。だからこそ、どうにかしてあの教師を奴らに近づかせないようにしなければならない。
だが、今窓を開けて叫んでも間に合わないだろう。教師は駆け足でどんどんと奴らに近づいている上、今日は風も強く言葉が伝わる可能性は低い。
「あれ?あそこにいるの誰だ?」
すると、一人の男子生徒が立ち上がり奴らを指差してクラス中に声をかけた。それを聞いたクラスの生徒、特にふざけることが好きな一部の男子生徒が真っ先に窓に近づいていった。
「ほんとだ、なんか変な格好してる」
「なんだあれ?コスプレか?」
「あ、先生が走ってる!あれ誰先生?」
「いいから!席を立つな!」
それを皮切りにクラス内の生徒全員が授業中にもかかわらず席を立つ。教壇に立つ教師が注意するが、一向に収まる気配はない。むしろ、このクラスからの物音につられて他のクラスも窓から奴らを見ているようだ。俺は席が窓側だったので、他の生徒に場所を譲って人混みから距離をとる。
「(何かないか!?なにかッ!。どうする......やばい、もう時間がッ)」
「「きゃあああああああ!!」」
「「うわあああああああ!?」」
突如、窓に集まったクラス中の生徒が一斉に悲鳴をあげた。涙を浮かべて泣く者、腰を抜かして倒れこむ者など反応は様々だったが、すべての生徒はとにかく窓から距離を取ろうとしていた。
「(ッ!!まさか!!)」
俺は人が離れた後の窓に近づき、皆が悲鳴をあげた原因を見る。
そこにあったのは、奴らに近づいていった教師が血を流して倒れている光景だった。
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