0、Prologue

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通常ならば、罵倒の言葉を浴びせるか急によそよそしくなるかのどちらかが多くの人々の反応として考えられるが、あいつは俺が入院している病院に見舞いに来たと思えばおおよその事情は大体把握しておきながらゲイだとかセフレだとかそんなセクシャリティな話題には一切触れず、「もう少し自分を大事にしろ」と泣きそうな顔で怒鳴ってきたのである。 今までの男達は「大事にするよ」なんて軽々しく口にするが実のところ目的は「性欲処理」だったなんて事ごくごく俺の日常からしたら当たり前であったため、あの時の幼馴染の言葉は深く胸に響いた。 ああ、思い出すと長くなってしまう。省略させてもらうがその後も俺は密かにあいつを想っていながら結局男達との関係もやめられなかったわけで、その罰であるかのように事は起こったのである。冒頭で途中まで一緒の会社うんたらかんたらと説明したとおりそいつの部署異動が決まり離れた訳だ。     
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