残恨の影

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残恨の影

ある日、俺と友人の高橋はコンビニで袋一杯に酒とつまみを買って、引っ越したばかりの沢村のマンションに遊びに行った。 マンションは駅から少し離れていたが、その分静かだし外観もわりと綺麗だった。 沢村の部屋は一階の一番奥。 インターホンを鳴らすと、恋人の結衣ちゃんが出迎えてくれた。 沢村が引っ越した理由も、結衣ちゃんと同棲するためらしい。 部屋は2DKで広さも十分。 壁も床もリフォームされていて、まるで新築のようだった。 部屋に入ると、沢村がすでにソファで寛いでいた。 「おー、来たか。部屋、前より全然広いだろう? これからはいつでも泊まりに来てくれ」 と沢村はご機嫌だった。 俺たちが買って来た酒とつまみをテーブルの上に置き、沢村が頼んだピザが届くといつもの宴会が始まった。 といっても、酒を飲みながらくだらない話をしたり、借りて来たDVDを見たりと大したことはしないが、それが楽しくていつも時間はあっという間に流れてしまう。 テーブルの上には、ゴミばかりが増えていった。
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