1 突然の別れ

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月曜日。 朝出勤すると、もう武士さんは来ていた。 朝礼前に、部長に時間をもらう。 「二人して真面目な顔してどうした? なにか、部署内で問題でもあったか?」 「いえ、プライベートなことで」 ここは武士さんに任せたほうがいいだろう、と私は静観することにした。 「実は、大島さんと付き合うことになりました」 「は?いやだって、大島さんは、長年付き合ってた彼と結婚するんだろ?」 「事情があって、婚約破棄されました」 私が言うと、部長はちょっと複雑な顔をした。 同情と、困惑と、それを隠すような顔。 「僕はずっと大島さんのことが好きだったので、このチャンスを逃す手はないと思って告白して、昨日正式にOKをもらいました。 プロポーズは、断られましたが」 「挙式は、どうするんだ?」 「キャンセルするつもりです。 スピーチもお願いしていたのに、申し訳ありません」 部長に頭を下げる。 「念の為聞くけど、君たち二人が結婚する可能性はあるの?」 武士さんがチラリ、と私を見る。 「今すぐは無理でも、いずれはそうしたいとおもっています」 「分かった。また進展があったら知らせてくれ」 部長は話を切り上げて、部屋を出ていった。 私達もその後を追う。 朝礼の時間まで、あと少ししか残っていなかったからだ。
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