1 突然の別れ

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金曜の夜。 水野さんは、婚約破棄についても上長に知らせなくていい、と言っていた。 自分と結婚するんだから、と。 思えば、随分自信に満ちた言動だ。 私はまだ、水野さんのプロポーズにOKを出しだわけでもないのに。 土曜日。 水野さんからLINEが来た。 デートのお誘いだ。 特に断る理由もなかったから、私はOKした。 どこに行くのかは聞いていなかったから、動きやすいパンツスタイルにした。 連れて来られたのは、某夢の国。 一度はいってみたいと思いつつ、未だ行ったことのなかった場所だ。 水野さんにひっぱられるように、様々なアトラクションに乗って、キャラクター達と写真を撮った。 夜にはパレードも見た。 もうそれだけで、私は満足だった。 でも、これから帰るんだろうと思っていたら、水野さんは夢の国に併設しているホテルにチェックインした。 まだ、告白されて1日しかたっていないのに、一緒にお泊りは流石に…… そんな私の気持ちを読んだかのように、 「部屋は一部屋だけど、ベッドルームは2つついてるから、心配しなくても大丈夫」 と笑った。 2部屋も寝室があるなんて、きっと高い部屋なんだろう。 「宿泊費、半額出させてください」 流石に申し訳なくてそう言ったが、水野さんはそんな私にデコピンした。 「初めてのデートくらい、カッコつけさせてよ」 そう言われてしまえば、これ以上我を通すのも失礼に当たる。 「わかりました。ありがとうございます」 部屋はファンシーで、さすが夢の国、と変なところで感心してしまった。 私たちは順番にお風呂を使って、明日に備えて早く寝た。 寝る時、ちょっと緊張したけど、水野さんの方からなんの物音もしなかったので、安心して眠りについた。
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