1 突然の別れ

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日曜日。 私は会社で一番の仲のいい由香に、金曜日のこと、自分が武士さんに惹かれ始めてることを話した。 惹かれてる、と言ってもそれが恋愛感情なのかは分からないということも。 「蓮くん、あんなに綾にベタボレだったのに、急にどうしたんだろうね」 「わかんない。私が色々仕切ってたのが、重荷だったのかなって今は思ってる。最後の方は、恋人らしい時間もなかったし」 「それで、水野先輩が名乗りを上げたと」 「それもよくわからないんだよね。だって今まで全然そんな素振りなかったのに」 私が言うと、はあっ、と由香がため息をついた。 「それは、綾に彼氏がいたからであって、指導係の時から、水野先輩は綾のことは特別扱いだったよ」 「えっ、うそ!」 「気付いてないの綾だけじゃないかなぁ」 自分ではそんなに鈍くないと思っていただけに、結構ショックだ。 「水野先輩、次の人事異動で主任に昇格するらしいし、いいんじゃない?」 「でも、そんなに簡単に蓮のこと忘れられないよ」 武士さんのことをいいな、と思う自分がいる反面、やっぱり蓮のことを諦めきれない自分がいる。 「蓮くんは、もう戻らない気がするな」 由香も、私と同じ考えだった。 「なんだか、そこまでばっさり切ったってことは、戻る気がないってことだと思うし」 「………だよね」 諦めなきゃ、いけないのかもしれない。 いや、諦めなきゃいけないんだろう。 私は、覚悟を決めた。
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