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十二月某日。
目を開けると見知らぬ天井。
「依子?依子!!」
珍しく泣きそうな顔で私を覗き込む春馬の顔。
「良かった…!目ぇ覚めた!!」
「春くん…?」
まだ気分の悪さが残ってはいるものの、五感が状況を分析し始める。
「春馬くん、大丈夫だから、落ち着いて。今はむしろ彼と同じ顔の君が目の前に居た方が心臓に悪い
かもしれないから」
冷静に春馬を嗜める声は、大地先輩のものらしい。
冬馬譲りなのか、幼い頃から彼を毛嫌いする春馬がすぐに食ってかかった
「は!?どういう意味だよ!?依子が倒れたのは俺のせいだとでも言いたいのか!?」
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