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 「…今ならちゃんとやり直せるかと思って」  「え?」  「再会した年の俺の誕生日、お前言ったじゃん。屈辱とか、絶望とか、由佳さんが羨ましいとか」  言った(本人)が忘れ去っていた恨み言の一つ一つを、冬馬が覚えているなんて。  肯定も否定もできず、俯くしかできない。  「だから、時間は戻せねえけど、シチュエーションくらいと思って」  それで、セーラー服と保健室というわけらしい。  でも、それなら…  「何で冬馬は学ランじゃないのよ!」  「バカ。サイズ的に入るか!女と男じゃ高校での成長具合が違うだろ。俺高校はブレザーだし。それに、お前春馬でぶっ倒れたんだから、俺の学ラン姿見たら死にかねない」  「………確かに」  「おい!そこは否定するところだろ!」
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