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 「ちょ、ちょちょちょ、待って、冬馬っ!!落ち着いて!!別のトラウマできる!」  完全にスイッチの入ってしまった冬馬は、私を軽々と担ぎ上げて、保健室仕様のベッドに押し倒した。  そのまま、切なげでいて、燃えるような瞳と視線が絡んだと思ったら、すぐに口の中深くまで冬馬の舌に侵される。 「ん、んぅっ、ハアッ…冬…んっ、んっ…待っ…んんんっ!!」 止まって欲しくて、肩を掴んで思い切り押し返す。 あの時より、がっしりとした体は、びくともせず、逆に両手を頭の上で纏められてしまった。  「園宮っ、園宮…っ!!」  いつもと違う呼び方  部屋に漂う、消毒液の香り  硬くて白いシーツの感触 全てが、しまいこんでいたあの日の記憶を、引き連れて来る。  いやだ。  やめて。  冬馬がキスの角度を変えるために、唇を離したほんの、一瞬。  私は思い切り息を吸って、叫んだ。    「冬馬っ!!」  機密性の高い部屋に私の声がワッと響いたのと同時に、冬馬の体が、糸で引っ張られたみたいに止まった。
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