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「なっ!依!?…ん、んっ」
口内に舌を侵入させると、驚きながらも、冬馬はちゃんと私のキスに応えてくれ、暫くの間、お互いの唇をただひたすらに貪った。
少しずつ、冬馬の興奮の種類が、怒りから欲情へと変わっていくのを待って、唇をもつれ合わせたまま、濡れた吐息混じりに呟いた。
「冬馬、もう一回やり直そう」
「…何、を?」
「初体験」
「だから…今それやってんだろ!?」
「やり直しのやり直し。好きっていっぱい言ってくれなくてもいい。触れる順番も関係ない。冬馬が、冬馬の思うように抱いて」
「…お前っ!!煽んなって言ってるだろ!?」
「気づくのが遅かったけど、私の理想の初体験は、ただ愛して、愛されればそれで良かったの」
微かに、冬馬が息を飲む音が聞こえたけれど、構わず続けた。
「だから、冬馬の好きにして」
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