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なのに。
冬馬は、
「とにかく、春馬の学ラン姿見てヤバくなったら、俺のイ◯ポ話思い出せ。お前なら、絶対それで蹴散らせる」
とだけ早口で言うと、私の唇を塞ぎ、押し倒した。
抵抗しようにも、心なしか冬馬のキスも愛撫もいつもより激しい。
例のきっかけを思い出したことが、そうさせているんだろうか。
呼吸さえままならないのは、快楽のせいか、別の何かのせいかわからないほど乱されて、結局、気づいたら朝だった。
その後も、それとなくこの話題を持ち出して、真相を聞こうと試みたけれど、上手くはぐらかされ続け、あっという間に春馬の入学式を迎えてしまった。
結果はご覧のどおり。
でも、私が平気だったのは、冬馬が私の一言のせいで不能になった話を聞いたからじゃない。
玄関で冬馬と下らないやり取りをしながら、自分の胸の痛みをハッキリと自覚させられていた。
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