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 *  「ー依子?」  冬馬の呼びかけで、我に返った。  「ごめん、考え事してた」  「だろーな。すっげー眉間のシワ」  『誰のせいよ』とは言えずに、指でシワを伸ばしていると、冬馬が私の手を取り、そこにキスをしてきた。    そして、わざわざ目線を私に合わせてからの、意地悪い笑顔。  「こんなになるほど気にしてたんだ?俺が復活(・・)したきっかけ」  イラっとしてまた眉間に『ハ』の字が刻まれそう。  悔しい。  でも、もうバレてるし、これ以上否定したって無駄だ。  冬馬にギュッと抱きつき、胸板に顔を埋めて声を絞り出す。  「…き、気にしてました」  「…ハ!?」  聞いたことないくらい素っ頓狂な声に、またイラつく。  「自分が聞いたくせに!!」  胸ぐらを掴んで抗議すると、冬馬は首まで赤くなっていた。  でも、それが見えたのはほんの一秒足らず。  「いきなり素直とか調子狂うんだよ!責任取れよ」
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