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 冬馬のスイッチをオンにしてしまったのに気づいたのは、玄関の壁に背中を押し付けられ、口の中を侵されてからだった。  「んぐっ、冬馬!ダメッ!!入学式、んんっ、間に合わなくっ…なる!!」  全く聞く耳を持ってもらえず、あっという間に外されていく服のボタン。  ある意味ここまではお決まりのパターン。    だけど、いつもと違うのはーーー  ガチャッと玄関の開く音。  続いて、冬馬に唇を塞がれたままの、私の目に飛び込んで来たのは、開かれたドアの向こうに立ち尽くす春馬の姿。 「ん゛ーーーっ!ん゛ーーーーーっっ!!」  半狂乱になって、冬馬の肩をバシンバシンと音がする程叩いても、舌は絡まったまま。  やがて固まっていた春馬が口を開いた。  「ーーー何やってんの?二人とも」
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