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「あの…支払いはカードでも大丈夫でしょうか?」
「うちはカラダ払い以外受け付けてませんけど?」
「ですよねぇ…」
最初に、特効薬の話を持ちかけられたとき冬馬が言っていた、『高い』の意味を噛み締めながら、これからに備えて体力を温存させるべく目を閉じた。
*
「起きねーとこのまま脱がすぞ」
恐ろしい一言で目を覚ますと、どこかの駐車場だった。
破滅的方程式から、前回と同じくラブホ街に向かうのだろうと予想していたのに。
「何でここ?」
降り立ったのは、実家の最寄り駅。
数年前に行われた再開発のせいで、私が高校の頃に通学で使っていた頃とはずいぶん景色は変わっていた。
「ぐずぐずしてると、どんどん利息が嵩むぞ」
ただでさえ体が持つかどうか分からないのに。
利息なんてとんでもない。
脅す冬馬に駆け寄って入ったのは、駅に隣接する高層ホテルだった。
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