6/13
前へ
/98ページ
次へ
 一人モヤついていたら、エレベータの扉が閉まるなり、唇を奪われた。  同乗者はいないけどー  「んっ、ちょ、ヤだ!!」  私の頬を包む冬馬の両手をグッと掴んで下ろし、顔を背けた。  「なに抵抗してんだよ?」  「…やっぱりお支払いできません」  「は?これ以上焦らすと命が危ねえぞ」  壁際に私を追い詰め、見下ろす冬馬の顔は半ギレ。  でも、こっちだって散々焦らされてるし。  ここは命の危機に怯まず、毅然と対応。    「だって、今日の支払いって情報提供料でしょ?まだちゃんと『情報』全部聞いてないもん」  私の言葉に、半ギレ顔が、みるみるうちに悪魔の笑みをたたえたものに変わっていく。  「心配すんなって、今からちゃんと会わせてやるから。」
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5198人が本棚に入れています
本棚に追加