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「……やっぱり、いいものだな」
言って、机にうなだれた。それから、緩んでいく頬を必死で制御しながら、空になったティーカップを洗いに行く。
こんなにも浮かれた日は初めてだ――彼女は文字通り浮いているが、これでは僕も浮いてしまいそうになる。
有り体に言って、嬉しかったのだ。
例え自分が許されない存在でも、嬉しかったのだ。
「……そういえば、あの子、お菓子食べなかったな」
ティーカップをしまいながら、独り呟いた。
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