鈴木義男

7/14
前へ
/34ページ
次へ
「学校から帰ってすぐ完成させるつもりだったんだけど、やってみたら難しくて…遅くなっちゃったからラッキー効果ないかもしれないけど、心をこめて作ったの」 小さな手が俺の手にくまのぬいぐるみを握らせる。中には綿がぎっしりと詰まっているらしい。 「これ、絵梨香の手作りなのか?」 「うん。前に図工で使った布とママのお裁縫道具でやったの!パパが早くよくなりますように──えり特製のお守りだよ」 絵梨香はにこっと笑い、くまのぬいぐるみを棚に置いた。黒いビーズのつぶらな瞳、鼻はボタンでできている。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加